2009年3月14日土曜日

シンポジウム アジアを変革する社会情報基盤 バングラデシュの挑戦

090220

今日は大学でバングラデシュを特集にしたシンポジウムが開催された。

アジアを変革する社会情報基盤 バングラデシュの挑戦
http://www.scs.kyushu-u.ac.jp/~ppca/sm090220/index.html

今回のシンポジウムを実質主催している、大学教員兼グラミン銀行系列(グラミンコミュニケーション)社員のアシル・アハメッド氏には、9月にバングラデシュを訪れた際に大変お世話になっている。家に泊めてもらい、グラミン銀行、農村部(アクラスプール)の案内を手配してもらうなど、至れり尽くせりだった。インド・バングラの旅はまだウェブ上にログを上げてなかったので、近いうちに書くことにしよう。

さて、本題に戻す。バングラデシュはアジア最貧国と言われており、外務省によると一人当たりGDPが487ドル(2006年度)、日本の4割程度の土地面積に1億4千万人が住む南アジアの国である。最近はNEXT 11という新興国グループに入れられ、少しずつ注目され始めているものの、水道・電気や交通などのインフラ、病院・教育などのサービスなど、まだまだ多くの問題を抱えている。
首都ダッカは何かの調査で、世界で最も汚染された街と言われたこともあるが、路上の排水溝から出る水で体を洗っている人を見たときはさすがに驚いた。お隣のインドと違い、牛のフンが落ちていないため視覚的には割ときれいに見えるが。

今でも1日1ドル以下で生活するBOP(Bottom of Pyramid:底辺層)の人々がたくさん住んでおり、貧困に喘いでいる。グラミン銀行創始者のモハメド・ユヌス氏は「貧困のない世界を創る」といってマイクロ・クレジット(貧困層向け融資)を初め、“途上国発の新しいビジネス”、“貧困層をターゲットにして成功を収めたビジネス”と、現在世界中の注目を集めている。
現在は事業を多角化し、銀行業以外でも、貧困層の人々の生活を向上させるビジネスを行っている。それが今回のテーマである社会情報基盤=ITの事業だ。

“通常の”歴史を見てみると、水道や交通、電気などのインフラが整ってきた上で電話線が引かれ、インターネットが使用できるようになってくる。しかし、バングラデシュでは水道すら通っていない農村でもウェブに繋がることが出来るなどと、順番が逆になっているケースが稀ではない。
彼らはインターネットを通じて出稼ぎの仕事を探したり、農作物の市場を見て高く売れるところに出荷したりしている。インターネットなんてある程度の所得がない人には、使用できてもコストがかかるだけだと思っていたのだが、行動する前に情報が得られることで、時間的・費用的コストが大幅に削減でき、人々の生活水準の向上に大いに役立っている。

また、電話線を引くとコストがかかると、各拠点から無線を飛ばして利用に当たっている。農村の人々は、ガス・水道などの支払いや送金などをケータイで済ませる。こういったはサービスは、日本でもあまり普及していない。バングラで普及しているのは、これ以外に方法がないという事情もあるが、先進国と違い既存のインフラや制度がないため、そういったものから受ける制約を考えずに、新しい技術を自由に組み込むことが出来るのだ。
そのため、バングラデシュなどの新興国はこれまで先進国が通ってきた道を辿るのではなく、いきなり新しいサービス、技術、制度を生み出しうる存在であると言える。

1億4千万の潜在的な巨大市場を持ち、貧困層ビジネスという社会的意義を感じられ、さらに最先端の技術を制約無しで自由に使える。
やりようによってはそうとうクレイジーで、クールで、刺激的な国だろう。あなたも一度、バングラデシュに赴くことを検討されてはいかがだろうか。

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